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〒436-0225 静岡県掛川市家代1834
人口減少・超高齢化の時代に入り、国の政策・地方創生が推進される中、これまで以上に地域の活性化が求められ、自律した持続可能な地域形成が社会全体の課題となっている。老朽化が進む社会インフラ(道路や建物)のメンテナンス等のハード面の改善だけでなく、地域に根付く歴史や文化の継承などソフト面からも豊かな暮らしを維持していくことが、まちづくりにおいて重要である。まちづくりの根幹は、ひとづくりにある。社会の要請に応えうる持続可能な教育への投資が一層求められる時代を迎えている。
小中高の教育において、令和の日本型学校教育(全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの実現)が議論される中、この法人が実践する文化系・地域部活動(以下「地域部活」という。)は一人一人の個性を最大限に発揮しながら、多様な他者を尊重し、全体でコラボレーションする活動を通して、協働的な学びの場を提供している。
近年、教員の働き方改革の観点から部活動の在り方が問われている。見直し策の一つとして、学校の部活動の地域移行が検討されるようになった。部活動改革は、令和の日本型教育を真に実現していく上でも課題の一つである。そういった中、国の方針を先取りする形で平成30年に掛川市の地域部活が創部した。前任の団体から運営を引き継ぐこの法人では、半世紀以上にわたり、肥大化・過熱化・活動時間の長時間化・活動に係る費用の高額化等の諸問題を抱えてきた部活動の現状への反省をもとにした改善策を施しつつ、学習指導要領の部活動の定義にある「生徒の自主的、自発的な参加」を最大限に尊重する環境づくりを行う。さらに、部活動が抱える諸問題を誘発しているコンクール等の大会には関与せず、生徒が高いモチベーションを維持し、短時間で、現場に関わるスタッフの負担を極力最小限に、かつ活動費用を低額に抑えながら運営できる仕組みを全国に向けて提供することを目指す。活動の成果を発信する場では、部活が拠点を置く地域固有の歴史・文化・産業をテーマにして創作する形をとる。全国一律に並べ、表現技術のクオリティを審査表彰するような大会は行わない。部活動改革の本質を捉え、地域活性化の起爆剤となり、将来的に地方創生のエンジンの一つになっていくことが、この法人の社会的使命である。
部活動の地域移行にあたっては、肥大化した学校の部活動をそのまま移行するのではなく、コンパクト化した地域部活と共存する形で、地域にある各種教室などの習い事や塾、子どもが参加可能な各種芸術団体(楽団や劇団等)、放課後の居場所に最適なアフタースクールやフリースペースなど様々な環境を提供する団体との間で、全体として子どもたちが多様な文化や芸術を体験可能な環境を創造していく地域モデルを提言していく。学習指導要領に明記されている「文化や科学等に親しむ」が部活動の範疇であり、表現技術の質の向上を重視した指導やレッスンは、習い事や芸術団体が担うものであると考える。
あくまで部活動の定義を原点に捉えた本質的な学びの場の提供と予測不能な時代に自ら未来の創り手となる人材の輩出を目指す。中学から高校と続き、その先の大学生及び社会人による地域部活に至るまでの長期的展開を図りながら、循環型で持続可能な活動拠点の拡大を支援していく。目的やビジョンを共有できる地域の関係各位と協働し、文化力の特性を生かした事業を通して、地方創生及び地域振興に寄与することを設立の目的とする。
地域部活は、2020オリンピック・パラリンピック東京大会の文化プログラムの一つとして、静岡県文化プログラム推進委員会(以下「ブンプロ」という。)が平成29年度から令和2年度までの4年間、地域密着プログラムに採択したことで最初の基盤が出来上がった。ブンプロの特徴は「地域とアートが共鳴する」をテーマに文化の力を活用する形で観光、まちづくり、教育、福祉など様々な分野と協働しながら、企画発案した民間団体が主体となり市民の中からプロデューサーを輩出することをねらいとしている点である。21世紀の文化政策に新たな光をあてるブンプロの考え方は、地域が抱える課題に対して文化の力で何をなせるのかを問うものであり、冒頭に述べたソフト面からの持続可能なまちづくりに通じ、令和の日本型学校教育の方向性にも沿い、地方創生の支えとなるひとづくりに寄与するものと確信する。2020年度を「文化系・地域部活動元年」と位置付け、地域部活を「ブンプロのレガシー」の一つであることを前面に押し出しながら全国展開を図っていく。
これらの趣旨に共感し賛同する多くの市民が織りなす文化の力を結集しながら事業を推進していくことを願い、この団体を特定非営利活動法人として設立する。
特定非営利活動(本来事業)
未来を見据えた学びの実現のための教育課程と関連付けがなされ、長期にわたる活動の継続が地域社会の各所においてインパクトをもたらし、その結果が地方創生の活力になっていくこと。そのようなポテンシャルを有する「地域部活」の在り方こそが、Poccaが描く理想像と捉えています。
全国展開を支援するNPO本部としての役割を担うために、企画プロデュース全般を本来事業の筆頭に掲げています。
Poccaでは、各地の部活動拠点が部員の自治的な活動を展開するために必要な考え方の基本を学ぶことができるプログラム(例:オンラインワークショップ等)や、教材(例:オンデマンド映像)の開発や提供を行います。
そのほか、部員募集用のチラシデザイン等の提供を行います。
Poccaでは、オンラインで提供する各種ワークショップ、または、オンデマンド配信する映像コンテンツの制作にあたって、登壇(出演)いただく講師を招聘します。
各種表現・制作・運営それぞれのジャンルの専門家の中から、全国または各業界においてご活躍が顕著な方を講師に招聘し、各種ワークショップや講話などを各地の拠点に配信提供します。(活動拠点の受講料は基本無償、講師謝礼や旅費等は本部負担)
各地の部活動拠点を支援するためのICT環境(例:Slack等のチャットツール、Google Workspace等のグループウェア)の運用の方法やノウハウ等を提供します。(クラウド上など無料で使用できる範囲は各拠点の費用負担は無し)
必要に応じて管理用データベースの提供も可能です。(ただし、DBソフトウェアの導入は有償:各拠点負担)
Poccaの公式ウェブサイトやSNSを開設します。
同サイトやSNSを通して、Poccaが推進する文化系・地域部活動の在り方や最新情報などを全国に発信します。
各地の部活動拠点の関連情報についても、本部サイト等で適宜掲載するなど広報活動の支援も行います。
拠点のサイトに掲載する共通情報(地域部活動の概念等)の情報提供、または、サイトのテンプレートなども可能な限り提供することで、各拠点の運営に掛かる負担軽減につとめます。
持続可能な地域部活動を実現するための具体的な方策の提言を行います。
Poccaでは、直轄部活動の複数年にわたる継続的な実践と検証を繰り返しながら効果的な方策を構築します。その上で実証された知見をもとに、部活動の本質(原点回帰)を追求する活動の展開を周知するための各種コンテンツを制作し提供します。教育系または一般を問わずメディアへの情報提供をはじめ、各地の自治体や教育委員会への情報提供も順次行っていきます。
Pocca経営理念に掲げる行動的市民(active citizen)輩出に向けたベースとなる学びとして「シティズンシップ」を育むプログラム(ワークショップ等)を適宜実践します。中学生、高校生、大学生・社会人以上、それぞれの成長段階に応じた学びや意識づけの機会創出のほか、長期にわたる継続した調査など、地域振興やまちづくりへのインパクト
Poccaの基本的価値観に掲げる「道徳と経済の両立」は、持続可能な地域部活動の展開に必須であると考えます。
各種事業の中で「特定非営利活動」を道徳、「その他の事業」を経済と位置づけ、その実践事例として、江戸時代末期に荒廃した600余りの農村を自力復興に導いた「報徳仕法」を研究し、その手法を現代の部活動改革において応用しながら実践を続けます。
※報徳仕法=江戸末期の農政改革者・二宮尊徳が農村復興を成し遂げた際に実践した手法。二宮尊徳が独学で編み出した思想(=報徳は宗教では無い)がベースに長年の実践を通して確立。全国的に厳しい状況が広がる中、幾多の困難に直面しながらも、一人ひとりの自発的な意識改革(心田開発)を促しながら、1つや2つではなく、600余りの荒廃した農村を自力復興に導いた事実は重いと考えます。勤勉・勤労という道徳的な側面ばかりがクローズアップされる金次郎像のイメージから脱却し、報徳仕法に焦点を当て、Poccaの事業への応用を試みていきます。
Poccaが推進する地域部活動の在り方に限定せず、スポーツ系、文化系問わず、全国で展開する地域部活動推進事業、または文化庁が推進する地域文化倶楽部(仮称)創設支援事業の動向などの情報収集を行っていきます。
そのほか、文科省をはじめ、未来の社会が要請する教育像(育みたい人材の姿)に関する調査や研究が重要であると捉えています。それらを包括的に調査研究を行う事業を推進します。
上記、1~9の各事業の成果物(コンテンツ等)を各地の部活動拠点との連携の中で、ニーズに沿いながら適宜提供を行っていきます。あくまで拠点が求める支援のニーズに沿う形での提供になります。
Poccaが直轄する地域部活動の拠点の主催および運営や管理のための各種業務全般を行います。
※2021年4月時点の直轄部活動: 掛川未來創造部 中学生(Palette)と高校生(名称未定)の2つの部活動
※直轄部活動の各種業務例:活動プログラムの基本設計、会場予約や費用支払、活動当日の会場での見守り、部員募集、募集時の受付管理(個人情報管理)、保険加入手続、保護者との連絡、教育委員会や学校への部員の活動報告
など。
上記、1~11までの事業以外にPocca理事会が推進の必要を認め、実施を決議した事業を行うことがありえます。
その他の事業(収益事業)
Poccaの基本的価値観に掲げる「道徳と経済の両立」の観点と、持続可能な地域部活動の基盤確立のために収益事業(=純然たるビジネス)はNPO法人として取り組んでいく必須の事業であると考えます。
必須理由としては、地域部活動スタッフの生活を支えるための資金源(報酬・賃金)が必要になること。または、地域部活動に参加する大学生や高校生のアルバイト先、さらに将来的には地域部活卒部生(社会人)就業の選択肢の一つになることで、循環型の事業モデルとして確立していく道が開けます。
※当収益事業=2021年度は行わない。将来的に着手予定。
物品販売は代表的な一例として定款に記載。
ただし、2021年度は行わない。持続可能な資金基盤造成のため、将来的に着手する可能性あり。
広告代理店的な事業は代表的な一例として定款に記載。
ただし、2021年度は行わない。持続可能な資金基盤造成のため、将来的に着手する可能性あり。
問い合わせ先:
Pocca本部事務局
→お問合せはこちら
支援:
静岡県文化プログラム
静岡県文化プログラム推進委員会は、「地域とアートが共鳴する」をテーマに、オリンピック憲章で定められた文化プログラムを進めています。文化・芸術による地域活動の振興を目指し、様々な団体等との協働による多彩なプログラムに取り組みます。
⇒ブンプロ公式サイトはこちら